1月3日 逃げ恥とアンナチュラル

昨日の夜は逃げ恥のお正月SPをみた。2時間半とかなり長丁場だったけど時間を感じないぐらい面白かったし、これだけの社会問題の数々がわかりやすく見やすく共感しやすくなっていたことに感動もした。取り扱われていた内容がありすぎて書ききれないけど、津崎家の子どもの名前の考え方は特によかった。亜江。すてきな名前だ。あと同性カップルについても病院で面会できないことなどサラっと差し込まれたりしてて抜かりなく、全方面に抜かりなさすぎて、フィクションに対してどこまでも誠実であろうとする姿勢にまた泣けた。本当にすごい。

しかし、その晩はそのまま余韻に浸りながら寝たんですけれども、寝て起きてツイッターを検索してびっくりした。びっくりしました。「逃げ恥」って打つと「気持ち悪い」「フェミ」でサジェストされる…!?

大絶賛の嵐だろうと思っていたのでちょっとげんなりしたけど、でも、そうかあ、世論ってこんな感じなんだ〜…と思った。「なんでこんなに上から目線で正しさを押しつけてくるのか」「正月なのに」「息苦しい」「フェミくさい」「思想強い」などのツイートをかなりたくさんみかけた。本当にいっぱいあった。そういう世の中の漠然とした今回の逃げ恥に対する「う〜ん…」というムードがあんまりよくわからなかったので、そういったツイートをひたすら粛々と読んだ。たぶん反論はいくらでもできるだろうけど「頭で理解した正しさ」よりも「正しさを押しつけないでほしいという気持ち」のほうが勝るんだろうなと思った。そうかあ。でも逃げ恥って最初からそういう内容だったよね……?と思ったらそこも意識がズレてて、逃げ恥はあくまでむずキュンラブコメであって、そのなかに社会問題をちょっと取り扱ってるのがよかったんだって。そうなのか。今回もドタバタほっこり子育てコメディを期待していたんだって。そうなのか。なんかもう、思っていたより世の中とズレつつある。

でもわたしも以前はこの「正しさの押しつけ」を感じていたような気がするし、タイミングや内容によっては今でも感じる、と思う。今回の逃げ恥をみて違和感を感じなかったことは、それはそれで見えていないものがあるってことなのだろう。逃げ恥、わたしにとっては目指す世界に向かうためのアイデアの詰まった物語で、みくりと平匡さんの頑張りは希望です。頑張ろうね人類。

 

 

そしてまた今日でお正月の一挙放送でアンナチュラルを全話見終わった。とにかく面白かった。1話からいきなり超絶タイムリーな内容と、事実がどんどん明らかになって更新されていく展開に引き込まれた。面白かったーーー!!

どの回も好きだけどわたしは5話が好き。恋人を殺された男の子の「そんな理由?」って言葉に心が嫌な感じにフワっと浮いたような感覚があった。正しさとはなにか、を問われたときの感覚。頭ではわかっていても、間違った選択に肩入れしてしまうとき。5話の彼の場合は、あの場で動機がわかったからって結末を変えるつもりは全くなかっただろうけど、にしても想像されうるなかで最悪の動機だった。あれ?と思う。殺されていい人なんているわけないけど、いま人が人を殺そうとした瞬間に「でもそうだよな」と納得してしまった自分に、心がグラっとする。

アンナチュラルのあとMIU404の再放送もちょっとみた。全然関係ないけど野木亜紀子さんのnoteを読んでたら「お弟子さんは募集していません」と書かれており、脚本家志望でもなんでもないのになんとなくがっくりしてしまった。今年いまいちばん弟子入りしたい人を聞かれたら絶対「野木亜紀子」って答える。